SEMINAR

ドクター・オブ・ジ・アース様セミナー(第17回農楽マッチ勉強会)

河村氏 (1)

新しい青果物流を創造し農業の活性化を図る

開催日時:2014年6月29日 (日)13:30~16:00
開催場所:梅田阪急オフィスタワー29階㈱ライフプラザパートナーズ セミナールーム

食の安全神話の崩壊した現在、何を作っているかよりも、誰が作っているかが重要だ。田舎の親戚から貰った野菜は、何処でどうやって作られているか分からないが、なぜか安心感がある。そう話す河村氏は、千里中央で野菜ソムリエの店「のら」を経営する、産地直送に特化した“八百屋さん”である。

中学時代から環境問題に関心を持ち、地球の寿命を延ばすお医者さんになろうと考えていたそうだ。ドクター・オブ・ジアースという社名の由来である。農業の活性化を通じて地球環境の維持改善に貢献することが経営理念。では、どうすれば農業の活性化が図れるのか?

産地直送野菜を取り扱うきっかけとなったのが、大学時代に滋賀の直売所で初めて経験した、“生の白菜”の美味しさであった。都市部でもこの野菜を買えたら便利だろうなと感じたそうだ。

近年、“本当に美味しい野菜を食べたい人”が増えている。競争が激しい飲食店業界、小売業界では、「他店との差別化のため、美味しい産地直送野菜を購入したい」というニーズが存在し、一方では、生産者である農家側にも、「自分が作った美味しいこだわり野菜が人から評価され、高く売れて欲しい」というニーズが存在する。河村氏にも、「美味しい野菜を作れる生産者を世に知らしめたい」という思いがある。農家と飲食店は相思相愛。自ら現場を回り情報を集めてきた結果、そう確信している。しかし、結びつけない理由があった。

出荷予測が立てにくい産地直送野菜、しかも欠品は許されない。農家からの小ロット・小口出荷は手間やコストを考えると不可能である。しかし、これをクリアしないと産地直送ができない。様々な手段を模索したが、結局、河村氏自身がWEB受発注システムを構築することにした。しかも生産者と消費者共に“手軽に利用できるシンプルなデジタル環境”を提供した。物流については、自らが小口ピッキングを行うという選択をした。当日、農家から届いた野菜を、受注に基づき箱詰めし、夕方に出荷するという大変な作業だが、鮮度を維持するためにはこの方法しかなかった。

一般的な市場(いちば)経由の流通と真っ向から対立しそうな産地直送の流通システムだが、河村氏は決してそれを否定しているものでない。日本中で生産された野菜のすべてが販売されるという日本のシステムは、素晴らしいという。こだわり野菜の生産者と消費者を結びつけること、そして生産者にとっての販売の手段を増やすことこそが、日本の農業活性化に繋がると信じ、それを使命と考えているという力強い言葉で締めくくられた。

田舎に親戚がいなくても、安心して野菜が食べられそうである。

(文責:西川 勝博)