SEMINAR

株式会社GHIBLI 坪内 知佳様セミナー(第21回農楽マッチ勉強会)

坪内氏 (2)

一次産業の繁栄!元気な日本 漁師のプライドを守る

開催日時:2014年10月26日 (日)13:30~16:00
開催場所:梅田阪急オフィスタワー29階㈱ライフプラザパートナーズ セミナールーム

メディア露出が多くなり、最近はテレビの人と呼ばれる。京都を歩いていて声をかけられた。

DVD(FROMZEROのテレビ放送)上映。(最初から感動的!)

販売先開拓の目玉とした差別化要因は鮮度。船上で、血抜き・料理長の要望に合わせた箱詰めまでを行い、帰港港後即出荷。一般的な直送より24時間早くかつ状態の良いものを届けることができる。これは漁師にはできなかった発想。

福井県出身、7年前に萩に転居。3年前から船団と関わり。独力で100以上の取引先を開拓。売り上げを漁師の給料に反映させるべく頑張ってきた。

売り上げが伸びていく中で、事件が起こった。「注文と違う魚が届いた」との苦情があり、調査すると漁師の箱詰めのミスが原因だった。取引先の真の要望を漁師が理解できていないことが原因と考え、冒頭のDVDの東京行きを企画した。船団のメンバーを東京の得意先に連れていき、試食とあわせて料理人の料理と漁師への思いを聞く機会を設けた。これによって、漁師自身が手間をかけた仕事の価値を理解できた。

「島の人は家族と思っている」「一生かけて行う価値のある仕事」として、一般常識が通じない人が多い現場でのこれまでの歩みを紹介。

仲居のアルバイトの際に船団を率いる漁師のリーダーの長岡氏と知り合った。事務・パソコンに詳しいところを買われて申請書作成を手伝ったことがきっかけ。一次産業の人間らしさ・泥臭さに触れた。一方で、漁協頼みの船団は借金3億円を返済する見込みのない収支状況だった。漁師に原価計算・バランスシートと言っても一笑に付された。独自の販路開拓を決意し、漁協と折衝・萩のシーマートで仲買人との交渉・大消費地首都圏での取引先獲得に注力した。

切り札は「鮮魚ボックス」。漁師が、自分が食べる分の魚は船上で首を折り血抜きをして持ち帰ることに気が付いた。なぜこれを東京に送らないのか。格段に美味であり間違いなく売れると確信した。漁師に、船上で、自分たちが食べる魚と同様の処理をして注文に応じて発泡スチロールの箱に詰めるように指示した。漁師への負担が最も少なく、昔の対面販売方式に戻る印象。顔のわかる、付加価値・理念・コンセプトのわかる料理人に限って販売する。負担を少なくといっても、帰港後は他の船よりずっと遅くまで出荷作業に追われる。反発する漁師とは激しい言葉のやり取りも日常茶飯事であったが、「今変わらなければこの島に未来はない」・「50年後に子供たちが島を駆け回る姿が見たい」との信念で、漁師との相互理解を深めた。

今年から顧客対応も100%漁師に任せた。このため、鮮魚ボックス出荷は約半数となったが、盛り返し始めている。また、新たに「船上一夜干し」を企画した。島には下水が無く加工場を作ることができないが、船上なら許可は不要。血抜き・開き・乾燥・真空

包装・冷凍までの加工を船上で行う。

東北の被災地にも想いがある。自分に何ができるのかを考える。戦後復興も一般人・中小企業から始まり、家族を想う心・地域を想う心で成し遂げられた。世界の歴史も同じ。「地域・日本の将来を見つめる」「目の前にいる人を人として思いやる」、これらにより、どんな事業も栄えていくと思う。個人事業で3年、法人化して1年、経常利益150%増。今の日本が飢えている漁業の成功事例と自負している。助力・お知恵・ご指導をいただければうれしい。楽しく笑顔で繋がれる仲間がほしい。おいしい刺身を楽しんでもらえれば幸甚です。

(文責:影山 貴俊)