SEMINAR

NPO法人いのちの里京都村 林利栄子様セミナー(第35回農楽マッチ勉強会)

林氏 (4)

NPO職員でもあり猟師でもある女性

開催日時:2015年12月20日(日)13:30~16:30
開催場所:大阪第一生命ビル19階

林利栄子さんは現在27歳、京都生まれの京都育ちで実家暮らしをされています。好きなことは食べること、飲むこと、寝ることです。

関西大学では、いろいろな勉強ができる学部で商業・国際・法学・地域に関すること、在宅介護のことも学びました。バトミントンサークルに所属し、明るく楽しくまさに学生時代を謳歌していました。そして就職は生命保険会社。法人担当の営業部門で、チラシを配ったりしながら顧客獲得をしていました。イベント係もし、楽しく会社生活を過ごしていましたが、営業は好きなのに、なかなか商品が売れないというジレンマもありました。そして、人と話をするのは好きだけどビジネスとしては向いていないのではないかと思い退職しました。その後、市役所で臨時職員として働きましたが、そこでも疑問に思うことがあり退職しました。

そして、人とのご縁があり、現在のNPO法人いのちの里京都村に緊急雇用として採用され、事務局長となりました。NPO法人いのちの里京都村というのは、「過疎化・高齢化が進行した農山村の再生」という趣旨に賛同する主に都市部の企業等に働きかけて、農山村への支援をコーディネートし、農山村と都市部の双方の利益に寄与する協同を生み出すことを目的としています。

たとえば、これまでロットや輸送コスト等の問題でほとんど都市部に流通しなかった規格外や少量の新鮮野菜や特産品をトラックで集めそのまま都市部に届ける仕組みを協同で作り、販売しました。また、ダーチャプロジェクト(都市部と農村部の二住生活)のもと、バスツアーを企画し大成功だったそうです。その他、FAAVO京都(クラウドファンディング)で寄付を募り昨年から猟師教室も開催しました。

オリジナル食品である京都もみじ(鹿肉まん)の販売の際に、子供から鹿を食べるのは可哀想だと言われました。普段食べている牛や鶏や豚と命においては何の変りもないのに、なぜ鹿は可哀そうなのか、命は同じなのに・・・すぐに説明できない自分にもどかしさを感じました。それがきっかけとなり、自分自身も命の現場に関わりたいという思いを抱くようになりました。食肉に関する食育を考え、自分で選んで食べたい、農山村に寄り添っていきたい、という思いが膨らみ猟師になろうと決め、狩猟免許を取得しました。ただ、こんなに多くの費用が掛かることは知らなかったし、手続きに時間がかかることも知りませんでした。ですが、猟友会の方たちや、周りの方の暖かい思いに励まされながら現在活動ができています。

狩猟免許には、網猟・わな猟・銃猟があります。銃猟の中でも、主に巻狩り(グループ猟)といって数名のグループで集まり、射手(まち)と勢子(せこ)に分かれ山を囲み、勢子はGPSを付けた猟犬に追わせ、逃げてきた獲物を射手が仕留めるという方法で、猟を行っています。もちろん、仕留めた後は、ナイフで捌きます。食すまでが供養だと思っているということです。

農業において獣害の問題は大変深刻です。猟師の数の減少と高齢化が進んでいるなかで、若い猟師の育成とともに、野生動物の住む環境の整備など課題は山積みです。彼女の思いが多くの人たちに賛同されることを願います。鹿肉は食べたことがないので、一度食べに行きたいと思います。

(文責:篠田泉)