SEMINAR

長左エ門射手矢農園様セミナー(第19回農楽マッチ勉強会)

射手矢氏 (3)

農業の未来と理念について

開催日時:2014年8月3日 (日)13時40分~14時40分
開催場所:梅田阪急オフィスタワー29階㈱ライフプラザパートナーズ セミナールーム

20歳で就農し、今年で農業歴25年目という射手矢氏。 健康的に焼けた顔、がっちりした体格、自信に満ち溢れ、見た瞬間に“凄い人”なんだろう と思わせる風貌で、講演が始まった。

作付量は泉州玉ねぎ13町(690トン)、先週キャベツ11町(800トン)、お米17町 等々という大阪でも指折りの規模を誇っている。 特に泉州玉ねぎに関しては全作付量60haのうち、射手矢氏が13haと20%以上を占めている事に驚かされた。 正直、大阪の農家で大きいと言っても、たかが知れている という考えがあったからだ。

今では勢いのある射手矢氏も就農当時から順風満帆だった訳ではない。 理念もなく、販売先も農協100%だった時期は、儲からず、農業そのものも格好悪く、職業を聞かれるのも嫌だと言っておられた。

この流れを変えたのは、寺田農園様を初め、仲間との出会い と (当時の)ピーコックとの商談 だと言う。 名刺交換した際に相手方の名刺には『好きだから農業やってます』の文字が・・射手矢氏は衝撃を受けたと言う。 それ以降、理念を“伝統と素晴らしい味を守りたくて百姓やってます~食卓が明るくなる野菜を育てます~” と掲げ、以前は農協のために作っていたが、消費者の事を考える様になったと話す。

また、他農家からの委託作業など頼まれた事は何でも引き受け、販売先を開拓し、グランドハイアット東京の総料理長ジェセフ=ブデ氏を初め、沢山の方からの高い評価により、更に勢いづいた。

このような射手矢氏に従業員も集まる。 ここ最近は、毎年1名づつ増え続けて、現在は従業員は5名いるが、採用に困ったことはないと言う。 従業員が従業員を呼んでいるからだ。 中小企業ではなかなか聞けないが、従業員が射手矢氏の農業を心から信頼し、将来性を感じるからこそ、口コミで集まってくるのだと思った。

“人のつながりを大事に”を掛け声に、大勢で田んぼアートも行い、メディアにも多数出演し、農業を楽しみたいと話す射手矢氏。 そんな射手矢氏も従業員から言われた『農業はカッコ良い』の言葉に少し照れていたが、満更でもない様子だった。 射手矢氏は、そんな従業員たちに家を建ててもらいたい と話す。 豪快だけではなく、勢いだけではなく、自分たちの作る商品に自信を持ち、人のつながりを、そして何よりも従業員を大事にしている。

農業は衰退の一途を辿っているだけではなく、中には射手矢氏の様な本物が変えて行ってくれるのではないか?と期待するのと同時に、農業はカッコ良いと感じた。

(文責:古池 和弘)