SEMINAR

キタイ設計株式会社 平櫛 武様セミナー(第31回農楽マッチ勉強会)

平櫛氏 (1)

現場感覚の住民参加論 ~ ふるさと地方創生の視点から ~

開催日時:2015年8月23日(日)13:30~14:30
開催場所:大阪総合生涯学習センター大阪駅前第2ビル6階第2研究室

平櫛氏は、圃場整備、里山整備など農村地域のハード整備・ソフト支援をしているキタイ設計株式会社に勤務され、地域プロデュース(事業開発本部)のグループリーダーとしても活躍されています。

日本では2008年に始まった人口減少が、今後も加速度的に進む状況にあり、人口減少による消費・経済力の低下が起こっており、この人口減少の影響が顕著に表れる地域が、農村地域(中山間地域)と考えられています。国は「ふるさと地方創生」を旗印に人口減少克服を目標に掲げ、各都道府県・市町村は「人口ビジョン・総合戦略」を今年中に作成、早いところは今年から、予算化、事業化を進めているという説明がありました。

人口減少を克服するための課題としては【出産育児】、【定住促進】、【若者雇用】の大きく3つの課題があり、進め方には共通の目標があり、それが「住民参加」をどのように進めるかであると話されました。「住民参加」には課題への関心や知識の低さ、意見をまとめる技術、団体が一定の意識を持つといった難しさがあるそうです。多くの「住民参加」の現場を回った経験から、「住民参加」を推進するには最初が肝心であり、「はっきりとものをいう」「本気で交流する」「キープレーヤーを見つけ出す」「やってみせる」「様々な方と交流し、楽しく行う」「女性や若者をできるだけ入れて行う」という一定の心がけが必要と話されました。

続いて住民参加手法のノウハウをPlan-Do-Checkという視点で話され、人々がオープンに会話を行い、自由に意見交換することで知識や知恵が生まれるとの考え方から生まれた会議の運営進行手法である「ワールドカフェ」の紹介、また、活動の実施を広報してゆくこと、地元協議やワークショップが実施された後、参加していない住民に伝達するなど活動を広めてゆくことが大切であること、そして、住民参加の活動について活動すれば良いというものではなく、実際の活動を評価し、次につなげることが重要であり、今後も継続して実施できるか収支計画を検証することが大切であると話されました。

最後に、住民参加の活動に関わりを持ち、分かってきたこととして、参加者の属性を自由自在にあつかうことによって決定内容をコントロールできることがあり、たとえば、地元団体に子供を入れれば、学習会に変わってゆく。ボランティア団体を入れれば、作業工程が決まってゆく等、ワークショップを新しい街づくりにつなげて行くことができるということ。また、体制をしっかり作ることが大切で、事務局と参加者だけの体制が多いが、スタッフやボランティアなどの体制を整えること。また、収支計画を含め体制をしっかりつくり、ビジョンがぶれないことが大切と締めくくられました。

<所感>

人口減少の問題は農村地域では差し迫った課題であり、これを克服してゆくための住民参加活動での取り組みを自身の経験に理論と実例を交えながら講義され、非常に興味深く拝聴いたしました。

(文責:角田達哉)