SEMINAR

農林水産大臣登録農産物検査員 牛島 俊彦様セミナー(第31回農楽マッチ勉強会②)

牛島氏 (1)

意外と知らないお米のはなし ~お米の検査とおいしいお米~

開催日時:2015年8月23日(日)14:30~16:30
開催場所:大阪総合生涯学習センター大阪駅前第2ビル6階第2研究室

牛島氏は、農産物検査員として、お米の検査を実施されています。

農産物検査員は正式には農林水産大臣登録農産物検査員といい、全国に1万人、各都道府県別に登録され、登録された地域において、お米の等級を目視で決定する仕事をしています。

お米の農産物検査は元々、旧食糧管理法において政府買い上げ時の検査として行われていましたが、その後民間の検査に移行し、平成18年に完全民営化されています。ただ、お米の食味と等級が必ずしも一致しないということもあり、将来廃止される可能性もあるとのことです。

農産物検査は、農産物検査法に基づく生産者や米穀業者が品位等検査(種類、銘柄、量目、荷造り包装、品位)で、お米の品位を示す等級は1等級、2等級、3等級、規格外に分かれ、この等級により政府買入価格が異なります。

検査は、お米の生産地にある検査場に検査員が出向いて行い、①種類⇒②荷造り包装⇒③水分検査⇒④量目検査⇒⑤品位⇒⑥格付け⇒⑦説明⇒⑧等級押印の流れで行いますが、検査の結果が、3等級や規格外となると説明が大変でお米を引き上げてしまう農家の方もいるそうです。

検査は数人の検査員で実施し、個々の検査は穀刺とよばれる検査道具を農家が検査のために検査場に持ち込んだ米袋に突き刺し、これをお皿に載せて検査を行いますが、1人当たり1日500~600回の検査を行うため、ほぼ一目で判断していくことになるとのことです。

検査に先立ち等級ごと指標となる標準品が配られ、この標準品と比較しながら等級を決定してゆきますが、毎年実施される研修で、サンプルを用いた等級判定の実習を行ったり、その年の等級の傾向を聞いたりするなど研修で技能と知識の維持を図るとともに、収穫時期から圃場の状況を見て検査のための事前情報の収集を行うなど、検査に備えた準備を実施しているとのことです。

なお、品位に差がつくのは、着色、高温障害、籾の混入、青未熟、その他未熟粒の混入度合によるとのことですが、籾の混入については、生産者の高齢化の影響が出ているとのことです。

最後に、米穀店やスーパーで購入する米袋の表示について、農産物検査を受けていないと産地の表示ができないこと、新米の表示が、新米の割合が70%以上で表示できるなどの検査と表示との対応関係、また、お米の最適な保管方法について、玄米は、温度は12度~14度、湿度が55%から75%の場所、白米は、温度は10度以下、温度は70%以下の場所で、冷蔵庫の野菜室がちょうどよいことについてのお話等の後、質疑応答で講義は終了しました。

<所感>

農産物検査の基準や、実際の検査の方法など、日頃食卓で頂いているお米の検査の状況について、非常に興味深く拝聴いたしました。

(文責:角田達哉)